種の特性と育苗方法について調査し、まとめてみました。
ホームセンターで販売されている苗を購入し、定植するのが一番簡単で安心感もあるのですが、いかんせん高い。安いものでも1株70円。品種改良がされているような苗は1株300円くらいのものまであります。野菜を自分で作るメリットの一つにお金の節約という面もあるかと思いますが、高い苗を買って、プランター、土、肥料等を購入しては、スーパーで野菜を買った方が安かったのでは?となってしまいます。
家庭菜園を行う上では、いかにお金をかけずにおいしい野菜を作るか?私的には重要なポイントと思っています。今年はレンタル畑を借りるつもりなので、苗もそれなりの量が欲しくなると思いますので、失敗しないよう、種、育苗について学んでいきたいと思います。
種から野菜を育てるメリット
人それぞれメリットと感じる部分は違うとは思いますが。。私が感じるメリットは下記二つではないか?と思います。これに加えるなら、「種から育てる喜び」という、気持ち的なものもあります。
- コストを節約することができる
- 苗では出回らない品種を育てることができる
種の基本構造は胚、胚乳、種皮
まずは種っていったい何なのよ?ということを調べてみます。いろいろな書籍やブログを読む上で、この基本的な用語がわかっていないと、書いてあることも理解できないので私なりに勉強してまとめました。
◆種皮
いわゆる種の外側の殻の部分。胚や胚乳を守る存在
◆胚
将来植物に育つ部分で、子葉、幼芽、胚軸、幼根からできているものです。この中で胚軸という言葉はいろいろなところで出てきます。
◆胚乳
胚が育つ為に栄養を蓄えている部分です。植物によってはこの胚乳がないものがあるのですが、そのような植物は子葉に栄養を蓄えているようです。主にはでんぷんを蓄えているようですが、植物によって蓄えている栄養分が違うので種により栄養が異なります。
種には栄養がある
私もヒマワリの種を食べたりしているのですが、種にはしっかり栄養がありますので、種は食べたほうが良いようです。特にピーマンやカボチャの種は私の家では捨てがち。私が料理する際はピーマンの種は面倒だから撮っていませんが。。ピーマンは白いワタと種にもしっかり栄養があり、緑の部分以上に栄養豊富とのことです。カボチャの種はカリウムとカルシウムを含んでいるようで、体の中の余分なナトリウムを排出するようです。酒飲みで塩辛いものばかり食べている高血圧の私にはピッタリです。フライパンで炒って、殻を割って中身を食べればよいとのことですので、今後はどちらも捨てずに食べたいと思います。
モロヘイヤの種は食べてはいけない!
これは要注意。モロヘイヤです。私も昨年モロヘイヤを育てていたので、ドキドキでしたが、毎日食べましたがなんともなかったので、注意して育てれば大丈夫とは思います。収穫期を過ぎた茎や完熟した種には強心配糖体「ストロファンチジン」という毒が含まれるので、絶対食べてはいけないです。モロヘイヤの栽培は花が咲きだしたら収穫をやめた方が無難です。種の袋にも注意書きがされています。
どんな作物がどんな養分を含んでいるのか?
- でんぷん:イネ、コムギ、トウモロコシ→人間様の主食です
- 脂質:菜種、ゴマ、ヒマワリ、落花生→食用油の原料になっています。
- たんぱく質:大豆、エンドウ等の豆類→最近では大豆たんぱくで代替え肉等が作られています
- ビタミン:マメ類、ゴマ、ヒマワリ等は脂溶性ビタミンのビタミンEが多く含まれています。余談ですが、大学のころ脂溶性ビタミンは「絵で行け!」と覚えろと習いました。(ADEKってことだと思います)ビタミンEは酸化防止剤に使われるので、油を多く含む種子の酸化を防止する為にビタミンEも含まれているというとだと思います。
好光性種子と嫌光性種子とは?
植物の種は土に植えれば勝手に発芽するんでしょ?と思われがちですが、実は光を好むもの、光を嫌うものが存在します。すべてを暗記することは無理ですし、調べればどちらの種なのかわかりますので覚える必要はないと思いますが、好光性種子は小さな種、嫌光性は大きな種という傾向があるようです。なぜか?小さな種は蓄えている栄養も少ない為、地表に近いところで発芽し、早く光合成をして自分栄養を作り出すというイメージです。ただ、すべてがそうではないようなので、実際には種まきの前にしっかり調べた方が良いと思います。
参考)好光性種子
キャベツ類、カリフラワー、ブロッコリー、ゴボウ、レタス、シュンギク、三つ葉、セロリ、人参、シソ
参考)嫌光性種子
大根、ネギ、玉ねぎ、ニラ、唐辛子、ナス、トマト、スイカ、カボチャ、へちま、きゅうり
種の寿命と保管方法
種の袋には、必ず賞味期限のようなものが記載されています。ただ、正しく保管しないと、発芽率が落ちたり、期限内なのに発芽しないということがありますので、保管方法を知っておく必要があります。
その前に・・種は寿命別に実は分類分けされているようです。
- 長命種子:4~6年以上 →トマト、ナス、スイカ等
- 常命種子:2~3年 →大根、カブ、白菜、きゅうり、カボチャ、キャベツ、レタス等
- 短種子;1~2年 →シソ、エダマメ
低温・低湿で保管が基本
密閉容器に入れ、湿度を30%以下に抑えること。そして低温で保管。密閉容器に入れ、冷蔵庫に保管するというの良いようです。よく、「野菜室」に保管を推奨している人もいますが、野菜室は野菜をみずみずしく保つ為、加湿されているものが多いので、実は多湿です。ですので普通の冷蔵室または冷凍庫に保管が正しいようです。種を冷凍しても大丈夫?という心配もありますが、問題ないようです。ただ、種の乾燥が不十分で水分が残っていると水分が氷になって種を劣化させてしまうようですので注意が必要です。ということなので、無理に冷凍せず、シリカゲルと一緒に密閉して冷蔵庫保存。が良いと思います。種は保管温度が5度下がると寿命は倍になるといわれているようです。短命種子もしっかり保存すれば、発芽率を落とさずに済むかもしれません。
●ダイソーの乾燥材
ダイソーに乾燥材が販売されています。電子レンジで加熱すれば、何度でも繰り返し使えますが、袋を開けると中身は個包装にはなっておりません。
保管した種は一度発芽試験をしよう
長期保管していた種をいきなり畑等にまいて、待てど暮らせど芽が出ないというのも困るので、保管した種を使用する際は湿らせた布等の上に置いて、発芽試験をすることをお勧めします。
薬剤コーディングされた種は「無農薬」?
種を買うと、薬剤のようなものでコーティングされているものがありますが、これは種消毒がされているものになります。薬剤コーティングも農薬の投与に含まれるようなので、薬剤コーディングされた種で育てた野菜は「無農薬」にならないとのこと。家庭菜園レベルでの無農薬では別にどっちでもいいんじゃないか?とは思いますが、薬剤ですのでコーティングされている種を食べることはNGです。薬剤コーティングをした場合、表示義務があるようですので、種の袋に必ず記載されています。記載がないということは、コーティングはされていないということです。
種の入り数はなんでml表記が多いの?
よく種の袋に〇〇mlと内容量が表記されていますが、これだと何粒入りか?が全く分からない。家庭菜園では、種を使い切るというのにも苦労しますので、別にどれだけ入っていようがあまり気にはならないですが。。。ml表記の場合、当然種の大きさによって入り数が異なります。そもそも小さすぎて数えられないということもあるかと思いますが、その昔、種は升で計量して販売していたということでその名残もあるようです。種苗店には種の粒数早見表のようなものが種メーカーから配られていて、どこの種屋さんもこの早見表を使っているらしいです。
品種名の前についている記号の意味
ホームセンターなどで売られている種はパッケージに〇〇病に強い!等書かれていますので、このような表記の種はあまり見かけない気もしますが、種の品種名の前にYRやCRのような記号がついているものがあるらしいのです。これは特定の病気に強い品種であるということを表す記号とのこと。YRであればYellowsResistance。萎黄病に強い品種。CRはネコブ病に強いという意味。YCRと書いてある場合は両方に強いという意味です。また、病害も記号で略されることがあるようです。例えば「B」が青枯病、「N」がサツマイモネコブセンチュウ・・なんだそりゃって感じですが。。。抵抗性や病害にはこのような略称が存在しますので種選びの際のご参考まで。